予防歯科

予防することの大切さ

予防歯科

平成17年の調査によると、歯を失う原因の約80%が虫歯と歯周病です※1)。歯を失うと、食べることばかりでなく、コミュニケーションなどの社会生活にも支障をきたし、全身の健康にも影響します。

最近では、噛む・飲み込む・しゃべる機能といった口腔機能の低下から身体機能の低下が始まるオーラルフレイルの考え方が注目されています。健康な歯があるうちに、予防歯科で歯と口の健康を守ることが大切とされています。

平成12年に厚生労働省と日本歯科医師会によって、「80歳になっても20本以上の歯を保とう」という「8020運動」が提唱・推進されました。

平成11年では80歳で自分の歯が20本以上残っている人は15.25%※2)でしたが、平成28年では51.2%※3)まで増加しています。予防歯科に取り組むことによって、自分の歯を多く残すことができるのです。

当院では以下の予防歯科を行っています。予防歯科で8020を目指し、健康を維持しましょう。

予防歯科で具体的に行うこと

PMTC

予防歯科

PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)は歯科で行う専門的な口のクリーニングです。家庭での歯磨きだけでは落としきれない、歯垢から増殖する細菌バイオフィルム(細菌の塊)をはがし取り、虫歯や歯周病を予防・改善します。

  • 歯垢や歯石をスケーラーという器具を使って取り除きます。
  • 研磨ペーストを用いて歯と歯の間、歯の周囲を掃除し、磨きます。
  • 歯の表面と歯周ポケットを洗い、フッ素(フッ化物)を塗ります。

フッ素塗布

フッ素湿布とは歯の表面にフッ素を塗ることです。フッ素は歯や骨を丈夫にする作用があり、塩やみそ、にんじん、大根、じゃがいも、海藻、緑茶、牛肉など、普段私たちが口にする食べ物にも含まれています。

フッ素塗布の効果

フッ素は、歯と虫歯菌に働きかけ、虫歯から歯を守る効果があります。

1.溶けた歯の修復を促す

歯に付いた歯垢から出る酸によって歯が溶かされ(脱灰)、虫歯が進行します。フッ素を歯に塗ると、カルシウムと結合して沈着し、歯の溶かされた部分が修復(再石灰化)されます。

2.歯を酸から守る

フッ素は、歯が酸によって溶けることを抑える効果があります。

3.虫歯菌が作る酸の量を少なくする

虫歯菌がつくる酸の量を抑えて歯が溶けることを防ぎます。

ご自身でできること

自分に合った歯磨きを

予防歯科

歯と歯の間、歯と歯茎の境目、奥歯のかみ合わせの部分は磨き残しが多い部分です。当院では磨き残しが少なくなるように患者様にあった歯磨きの方法をお伝えします。ご自宅でも磨き残しがないように意識することが大切です。

歯ブラシも歯の状態や口、手の大きさによって、自分に適したものを選ぶ必要があります。当院では適切な歯ブラシの選び方、歯の磨き方の指導を行っています。

歯ブラシの定期的な交換

歯ブラシの交換の目安は最低1か月に1回です。古くなった歯ブラシでは歯垢をしっかり落とすことができません。

ついつい、毛の先が開くまで使ってしまいがちですが、毎月○日を歯ブラシ交換日と決めて定期的に交換するのもよいでしょう。

よく噛んで食べること

よく噛んで食べることで唾液の分泌が促され、口の中の汚れが流されます。

歯が溶けるのを防ぎ、溶けた部分の修復も促されます。

その他にも、あごや歯茎が丈夫になる、胃腸の働きがよくなる、脳が活性化する、肥満やがんを防ぐなど、全身に良い影響をもたらします。

食事やおやつは決まった時間に

口の中に食べ物が入っている状態が長くなると、溶けた歯が修復される機会が減り、虫歯になりやすくなります。

食事やおやつは食べる時間・回数を決めて、だらだら食べを防ぎましょう。

参照URL

※1)財団法人 8020推進財団 永久歯の抜歯原因調査報告書 平成17年3月

※2)厚生労働省 平成11年歯科疾患実態調査の概要 

※3)厚生労働省 平成28年歯科疾患実態調査

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